林静一展

終了ギリギリに行ってきました!セーフ!!
やっぱり林静一の絵は大好き。
誤解を恐れずに言うと、林静一の描くおんなのこの体型が好きでたまりませぬ。
なで肩で、首と二の腕が細くて、後頭部が高い位置で丸くて
着物だと胸とお腹が凹んでて、水着だとお尻がぺたんこで、下腹がちょっとだけぽよんとしてる。
そしてその皮膚の薄そうなこと。
なーんてかわいいんだろう!!!
なんていうか、少女らしさを残したほんのりした色気がいい。
もう2、3日すればすぐに開ききってしまう、5分咲きの桜のような不安定な美がいとおしいのです。
いいな。いつまでもそうありたいものです。


林静一といえば、以前は着物姿の絵のほうが断然好きで、現代ものはちょっと・・・?だったんだけど。
ダイソーで買ったクリアファイルの絵の原画を見て衝撃を受けてしまった。
真っ赤なドレスを着て、カクテルグラスを翳したおんなのこの絵、原画ではグラスを持った男性の手まで描かれてた!!!
清らかな着物のおんなのこばかり描いてると思ってた私、大ショック!!!
びっくりして現代風の絵を漁ってみたら、あんな華奢に描かれたおんなのこ達が、煙草は吸うわ一人で異国の街は歩くわ(笑)
私なんかよりずっと開明的だね。
それを見たとき、そんな彼女らに凄い痛々しさを感じたのです。
そう思ったら、この現代、女性が強いとか色々言われてるけど、「何でもできる!」とばかりにがんばる現代の女性は男の人の目から見たらこんな健気で痛々しい存在に映ってるのか。とショックを受けたわけです。
なんか
世間の父親の気持ちが少しわかるというか・・・とても切なくなるよ。
こんな風な愛のまなざしをもって世の女性を描く作家がいるって、少し複雑ではあるけど、なんかちょっとうれしいことだね。


それからもうひとつ、今日感心したのは、風景のうつくしさ。
小鳥とか猫とかの自然な愛らしさは前々から思ってましたが、特に衝撃を受けたのは、雑木林(なんて地味ポイント・・・)
あれ。
あれ。
田舎育ちでクワガタ採りに山に入ったことのある私は分かるのですが、あの草の生え方は知ってる人しか描けないよ(笑)
リアリティありすぎ。自然すぎ。
細い草の葉の捩れ具合とか
石庭の苔の生え具合とか
そんなものを毎日家の庭で知らず目に入れて過ごしていた者にとっては、
どの風景も本当にさりげなくて、当たり前で、やさしい。
そういう鄙びた風景の中で、それが当たり前のものとして育った人なのかなあと思って、私はとてもノスタルジーと親近感を感じた。


ミュージアムショップに気に入った絵葉書が(しかもバラで)売ってなかったことだけが不満だけど、本当に楽しかった。