「女装と日本人」三橋順子

……ごめん超キモチワルかったわ(爆)
いや別に中世芸能史における異性装の研究までは否定してないんだけど。
ていうかその辺りの考察に関しては普通に真っ当だと思うよこの本。

私は桃山〜慶長期あたりの特定時期の異装文化に関心があるわけですが
「芸能」の中の伝統としての異性装の実態をより詳しく知れたので、舞台上の趣向と舞台下(服飾風俗)の「異装」の差を少しとらえやすくなったかなと思う。
多少なりともまともに調べた中では、「当時における『異装』の実態とは何ぞや?」のところまでしかいけてなかったんだけど
「異装」と「異性装」の違いとか、舞台と服飾風俗の対比とかにも踏み込むための足がかりになりそうな感はするかも。

……しかし時代が近代に近づくにつれて内容は阿鼻叫喚に(…)
自身「女/装/者」である筆者の写真披露コーナーって(冷汗)
ちょっ……ぎああぁぁぁああ!!!
聞いてない!頼んでない!!!

後半は、結局日本における異性装の歴史的慣例をひいて「だから女/装はちっとも不自然なものではないのです」「キモチワルくないのです」って巧みに誘導したかっただけなのか?と思うような…

…その理論でマイノリティをマジョリティに持っていけはしないだろ。関係ないだろ。
つかそういうマイノリティが現在社会的に阻害されてるわけでもないだろ。
昔の慣習を楯にされても嗜好や美意識はわりと気質的なものだから理論で割り切れるものでもないしね……
天皇=現人神」が常識だった時代にもギモンを持つ人はいたようだし
いくら歴/女とかいうの流行ってても21世紀の世の中で彼氏に月代あったらキツかろう(爆)

杉/浦/太/陽のテレビでのギャルメイクは笑って許せても、いい歳のオッサンが平日女/着/物で素知らぬ顔で街歩いてたら精神的に有害だって。
社会的不安が喚起されるというか日常的美意識にそぐわず日常生活の平穏な進行が阻害される…

作中で筆者はハレの場である神事や祭事に異性装が欠かせなかったことを挙げて、最近の祭から異性装の伝統が消えつつあることに警鐘を鳴らしてますが。

…その理論でいくとケの場にハレの習俗を持ち込んで澄ましてるお前の方が風俗壊乱じゃねーか!!!(爆)

自分の生々しい体験談なんか伏せといて、大人しくひとかどの知識人らしい当たり障りのない概説書いとけばいいのに…とか思いまったorz
そんなのは家でやれよ…