「太陽の塔」森見登美彦

これ面白い。
読書と歴史と機械が大好きでやや根暗な学生は必ず一度目を通しておくこと。(爆)
修行僧みたいな生活を送るインテリオタな京大生の苦悩の奇跡。
今この時期に出会っておいてホントに良かった本。
きっと社会人になったらもう、この社会的に怠惰でありながらアカデミズム崇拝的な禁欲を行なうという最高に倒錯した生活の素晴らしさに共感できなかったかも・・・。
大学生っていい身分だよな。まじで。


文体はオタクが好んで使うところのなんちゃって文語。
単なるアニオタとかでなく、古典も網羅した上での包括的なオタクが良く使う文体。
三浦しをんとかよく似てる。
最近こういう文体多くなってきて、これは既に文壇の傾向として派閥化されて良いような気がする。「新感覚派」とかそんな。
さしずめ「高偏差値オタ派」
おまけに会話にシュールなウィットが効いていて面白い。
高島屋方面と四条大橋方面からの人の流れの合流を「関が原の合戦のごとき大混雑」と表現。
・・・こいつ!!!友達になりたい!!!(爆)
他にも「痛快なまでに肥大した知的好奇心の姿」とか。いちいちオタク特有の表現が秀逸。
この間久々にサークルに顔を出したら、案の定大プッシュされていた。


単にオタオタしいだけの読み物でなく、よく読むとそんなオタクの「ああもう京大まで入っといて俺なにやってんの!」な苦悩が表現されてるところが良い。
最後にちょっとしたサプライズがあったりするし。


あー京大いいなあ!!
綾辻とか清涼院とか麻耶とか、あの人口に対してオタク作家が多すぎだろ。