ジゼル

ジゼルになって
あなたの糸で踊れば良かったの



疲れて、家で寝ています。
後半私が半ば強引に彼氏にしていた人は、今日も多分疲れながら、無理に仕事をしていると思います
…人を不幸にしかできない女。


ショックで思わずもう何も考えられなくなるくらいに優しくもてなしてくれてたのに、
私が臆病で根暗で子供で我が儘すぎて、夢見てた幸せ全て壊した。



あなたとこんなに早く、そしてこんなに遅くに出会ってしまった不幸。
私はまだ遊びも仕事も足りていない子供で、まだ何も、持ってはいなくて。
ロマンの味、ケーキの味、そして男の人の助けや優しさも全然足りてなかったよ。


ただただ必死に自分で足掻いて身を焦がす人の裏を見過ぎて、薄のように荒んでた


じっと家に引きこもった世間知らずの、お人形


…本当は最初から、判っていたはず
上品で柔らかで優しくて、絶対に幸せにしてくれそうな人だって。
あなたは私が大切にしてあげたくなりそうな人だって。早く気付けば良かったね。
けれど私にはもう身を焦がし、無くしたものが多すぎて、あなたの手をもう、凍らせてしまうよ



私とあなたと。最初から全て欠けることなく、合わせられたら良かったのにね。
何故雨が降るのでしょう
何故曇りも雪も嵐も台風もあるのでしょう
何故、もう、光が、
こんなにも
弱々しいの?


世界を全て光の中で巡るには、もう、小さく、なりすぎたかな?





冬が、終わってしまう。
あの人との、厳寒の春の季節が。
身を縮め、寄せ合い、暖かさを分け合った、極限の中の冬の夢。今年こんなに寒かった冬に暖かさを呼べたあなた。
芯から冷えて、傷つきすり減っていた私はいつも、貰うだけだったね。


何故2人暖いまま過ごせなかったのでしょう。
私はあなたをも凍らせてしまうところだったけれど。
私はあなたが愛していた、透明で冷たく柔らかい、あなたのお人形でいたかった
暖かな私は、ただの、普通の女になりそうだから
きっと春になったなら、溶けて、消え去る運命だったのかな
あの人と過ごした今年の冬は、幸せだったけどいつもひどく、凍えてたの。


傷つき欠けて朽ちかけたお人形。愛してくれてありがとう
強く厳しい日本人形は、悲劇の幕しか踊れない